VUCA(ブーカ)とは?予測困難な激動時代のリーダーシップ・人材像まとめ

今の時代は、「Volatility(激動)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(不透明性)」の頭文字をつなげた「VUCA」の時代と称されています。

現在のビジネス環境は、これら4つの要因により、新たな突破口を拓くための「正解」が非常に見通しにくい状況になっています。

人工知能(AI)やロボットに関する技術の指数関数的な進化により、社会やビジネスの複雑性がこれまで以上に増しています。その結果、僕ら経済人にとって不透明性が高い、まさに視界不良の時代に突入しています。

2016年の世界経済フォーラム(ダボス会議)では、「VUCA時代に必要なリーダーのあり方」や「人材の能力」などに関し、いくつものセッションが設けられるようになってきており、注目されるキーワードとなっています。

今回は、VUCA(ブーカ)とは?予測困難な激動時代のリーダーシップ・人材像について解説します。

VUCA(ブーカ)とは?

VUCA(ブーカ)はもともと1990年代にアメリカの軍事用語で、「予測不能な状態」を意味します。

VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字をとって作られた単語です。

<VUCA(ブーカ)の構成要素>

「Volatility」(変動性)
「Uncertainty」(不確実性)
「Complexity」(複雑性)
「Ambiguity」(曖昧性)

以下、それぞれについて解説します。

Volatility (変動性)

現代のビジネスシーンは、トレンドの移り変わりも早く、市場が短期間で激変します。特に、近年のITの驚異的な進化により、新しい事業や業界が生まれては消えるまでのライフサイクルのスピードは日々速まっているでしょう。このハイペースな市場の変化に対応しなければなりません。

例えば、携帯電話からスマホへの変化、それに応じたアプリケーションや周辺機器、アクセサリーへと開発がシフトし、新しい市場が誕生しました。また、AIやIoT家電などへの商品展開も、Volatilityの表れといえるでしょう。

Uncertainty (不確実性)

Uncertainty(不確実性)をもたらす代表的なものは、自然災害です。特に東日本大震災や西日本豪雨災害など、施設や工場に思わぬ被害を受けるケースがあり、計画の変更を余儀なくされます。そこで、想定外の事態に対して、準備や代替策を用意しておくことが重要になります。

また、ある日突然新たな競合が生まれたり、海外から競合が参入してきたり、どこからかサイバー攻撃を受けたりするかもしれません。業務が著しく妨害される場合は、その都度仕事のやり方をある程度変えていかなければなりません。

Complexity (複雑性)

多企業、多部署、多地域が絡み合うことで仕事は自然と複雑になります。各国の法律、習慣、文化、ビジネス環境、政治的安定度など、調べればある程度把握できても業務と因果関係がある事柄はあまりにも多く、複雑に交錯します。

日本では民泊プラットフォームのAirbnbやライドシェアプラットフォームのUberなど、海外でイノベーションを起こしたサービスが普及していない状況があります。その原因として、法整備が新しいサービスに対応できていないことが考えられます。

Ambiguity (曖昧性)

代表的なものは、人々の価値観です。インターネットなどによる情報発信の影響を受けて消費者の考えや動きが急激に変わるため、過去の企画やマーケティングの手法は通用しにくくなります。そのため、臨機応変に素早く手を打つフットワークの良さが重要になります。

例えば、カーシェアリングやシェアオフィスは、シェアリング・エコノミーとして海外から伝わり、日本でも一気に注目されてマーケットが伸びました。全世界で前例のない全く新たな事業の実現は困難です。これらの動きを敏感に察知しようと、企業でビッグデータの活用が進むのも、ひとつの表れといえます。

VUCA時代のリーダーシップ・人材像

世界はVUCA時代に突入し、環境の変化は予測できなくなっています。したがって、VUCA時代を生き残る組織であるためには、強いリーダーシップを持った人材を育成することが非常に重要となっています。

先行きの予測が難しいVUCA時代の中では、これまでは常識とされてきたような考え方や方法だけでは、仕事やビジネスがスムーズにいかなくなると考えられています。上手にVUCA時代に向き合っていくために、身に付けたい3つのポイントがあります。

VUCA時代のリーダーシップに求められるポイント

スタンリーマクリスタル将軍(General Stan McCrystal)は2014年ASTDの基調講演にて、チームや組織が変化の激しいVUCAの世界で生き残るために求められるポイントとして次の三つを挙げています。

予測できるという傲慢さ (predictive hubris) を捨てる

組織的な適合性 (organic adaptability) を高める

共有化された意識と権限委譲による実行(shared consciousness & empowered execution)

未来は予測できず、適応することしかできない、そのために現実に適応する力を高める必要性があります。またリーダー人材に強く求められる役割として、チームにかかわる人々に「権限を委譲する」ことだと述べています。

まとめ

いかがでしょうか?

グローバル化で経済が複雑に絡み合い、イノベーションが絶えず生まれているVUCAの時代では、未来を予測するのは難しいでしょう。経営学者のピーター・ドラッカーは、「未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ。」と述べています。

VUCA時代に突入し、企業もそれに応じた舵取りをしています。個人も法人であっても、この時代の波の特徴を知って、うまく波に乗れるように、考え、行動することが大事です。