資本性ローンとは何か?日本政策金融公庫の新しい資金調達方法まとめ

経営者にとって「資金調達」はとても重要なテーマです。

近年のスタートアップシーンにおいては、VCから資金調達することが一般的ですが、VCからの資金調達にはメリットだけでなく、デメリットがあります。VC以外からの資金調達の方法のひとつに「資本性ローン」があります。

この資本性ローンは、新規開業者でも活用できる制度ですが、利用できるのは「新規性及び成長性がみられる事業」に限られています。

資本性ローンは無担保・無保証人、長期の借入期間、元金の一括返済など事業者にとっては非常に多くのメリットがある融資制度です。

今回は、資本性ローンとは?日本政策金融公庫の新しい資金調達について解説します。

資本性ローンとは?

新規事業・企業再生等に取り組む企業の財務体質強化のために、資本性資金(一定期間、元本を返済しなくてもよい資金であり、期限がくれば返済が開始されます)を借り入れる制度です。

資本制ローンは、別名「資本制借入金」とも呼ばれ、平成23年に東北大震災の復興や急激な円高対応などを背景に、資本の充実を図ることを目的に積極的な活用が促進されるようになりました。

日本政策金融公庫の資本制ローン

日本政策金融公庫では、国民生活事業と中小企業事業の2種類の「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」を取り扱っています。

これらは、事業特性や用途によって利用する制度が変わります。簡単に言えば創業したばかりやスタートアップ等は国民生活事業となり、中朝企業の成長期や拡大期は、中小企業事業が対象となります。

以下、国民生活事業と中小企業事業の概要について紹介します。

国民生活事業

ご利用いただける方 次の1および2を満たす法人または個人企業の方
1 適用できる融資制度 次の(1)から(12)までのいずれかの融資制度の対象となる方

  1. 新規開業資金(注1)
  2. 女性、若者/シニア起業家支援資金(注2)
  3. 再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)(注2)
  4. 新事業活動促進資金
  5. 中小企業経営力強化資金(注3)
  6. 食品貸付(注2)
  7. 一般貸付(ただし、前(6)の対象者にかかる運転資金に限ります。)
  8. 海外展開・事業再編資金(注4)
  9. 事業承継・集約・活性化支援資金
  10. 企業再建資金(注5)
  11. 生活衛生新企業育成資金(注2)
  12. 生活衛生企業再建資金
2 その他の条件  次のいずれの要件も満たす方

  1. 地域経済の活性化にかかる事業を行うこと。
  2. 税務申告を1期以上行っている場合、原則として所得税等を完納していること。
融資限度額 4,000万円(1(9)の融資制度に限り、別枠4,000万円となります。)
ご返済期間 5年1ヵ月以上15年以内
ご返済方法 期限一括返済(利息は毎月払)
利率(年) ご融資後1年ごとに、直近決算の業績に応じて、貸付期間ごとに3区分の利率が適用されます

利率
売上高減価償却前経常利益率 貸付期間
5年1ヵ月以上
7年以内
7年超
9年以内
9年超
12年以内
12年超
15年以内
5%超 5.30% 5.60% 5.95% 6.20%
0%以上5%以下 3.15% 3.30% 3.50% 3.60%
0%未満 1.00% 1.00% 1.00% 1.00%
担保・保証人 無担保・無保証人
その他
  • 本特例による債務については、金融検査上自己資本とみなすことができます。
  • 本特例による債務については、法的倒産手続きの開始決定が裁判所によってなされた場合、全ての債務(償還順位が同等以下とされているものを除く)に劣後します。
融資条件など
  • 審査時に事業計画書をご提出いただく必要があります。
  • 税務申告を1期以上行っている場合、原則として所得税等を完納されていることが必要です。
  • 四半期ごとの経営状況の報告等を含む特約を締結していただきます。

中小企業事業

ご利用いただける方 直接貸付において、新企業育成貸付、企業活力強化貸付(一部の制度を除く。)または企業再生貸付(一部の制度を除く。)を利用される方で、地域経済の活性化のために、一定の雇用効果(新たな雇用または雇用の維持)が認められる事業、地域社会にとって不可欠な事業、技術力の高い事業などに取り組む方。
融資限度額 1社あたり 3億円
ただし、事業承継・集約・活性化支援資金(企業活力強化貸付)については、1社あたり別枠3億円
利率(年) 適用した貸付制度に基づき、貸付後1年ごとに、直近決算の業績に応じて、3区分の利率が適用されます。
<新企業育成貸付又は企業活力強化貸付を適用した場合>
期間15年:5.45%、3.75%、0.45%
期間10年:5.00%、3.40%、0.45%
期間 7年:4.65%、3.15%、0.45%
期間5年1ヵ月:4.00%、2.70%、0.45%
<企業再生貸付を適用した場合>
期間15年:5.50%、3.35%、0.45%
期間10年:5.45%、3.30%、0.45%
期間 7年:5.40%、3.25%、0.45%
期間5年1ヵ月:5.30%、3.15%、0.45%
ご返済期間 15年・10年・7年、5年1ヵ月(期限一括償還)
担保・保証人等 無担保・無保証人
その他
貸付条件など
融資のお申込み 直接貸付
日本公庫各支店の中小企業事業の窓口にお申し込みください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

資本性ローンはまだ始まったばかりの新しい融資制度であるため注目されています。

資本性ローンは現在の業績ではなく、事業内容を重視して審査が行われるため、スタートアップ企業やベンチャー企業でも利用しやすい制度です。メリット・デメリットをふまえてうまく活用しましょう。