【保存版】中小企業の事業継承における問題とは?課題や解決方法まとめ

日本企業の9割以上を占め、日本経済を支える中小企業。

現在、多くの中小企業が抱える課題のひとつに、事業承継があります。その背景には、後継者不足という問題で悩んでいるところが多いと言われています。中小企業経営者の平均年齢はあがってきているにも関わらず、後継者が育っていないことに加え、事業継承するための手立てなどの正しい情報を知らないことも不安の要因になっています。

事業承継の失敗は、廃業・倒産の道を辿ることになり、技術や雇用の喪失に繋がるため、社会問題として取り組まなければならない重要課題です。

今回は、中小企業の事業継承における問題とは?課題や解決方法について解説します。

事業承継とは?

事業承継とは、一般的に、閉鎖を予定する会社や同族会社のオーナー社長が、親族や従業員に、あるいは、M&Aの相手先に事業を承継、譲渡させることを言います。

統計では、社長の年齢が高くなるほど増収、増益である企業の割合は低下していくという結果が出ています。

そのまま、事業承継対策を行わない状態が続けば、業績悪化はもちろん、最悪の場合は廃業に追い込まれる可能性もありますし、そのまま経営者が死亡してしまった場合にも遺産分割により、資産を集中できなかった会社は存続が危ぶまれます。

事業承継は、単なる相続の問題ではなく、会社の存続に係わる極めて重大な経営課題であり、慎重に検討したうえで進めていく必要があります。

事業承継の詳細については、以下を参照ください。

【保存版】事業承継とは?意味や事業承継の方法・補助金など支援制度まとめ

中小企業の事業承継問題とは?

以下、中小企業の事業承継を行う際に発生する問題について紹介してきます。

後継者問題

事業承継を行う際に後継者がいないと承継することはできません。現在後継者がいない企業は、全企業の約70%達しており、会社存続において大きな問題となっています。

中小企業の場合は特に事業を引き継ぐ相手として、まず浮かぶのは親族ですが、しかし近年では、親族が事業継承する意思がない、事業継承する能力(経営等)不足、などにより事業継承が困難であることも多くなっています。

そうなると役員や社員にゆだねる場合もあります。そして、最終的には第三者にお願いすることになるかもしれません。

後継者の教育の難しさ

事業承継を行う際に、後継者教育に苦戦している経営者は多いようです。

経営者が後継者に求める能力としては、業界や現場の業務の理解度もありますが、会社や事業の将来性を見通す能力の向上や経営者としての資質があります。

しかし、これらは身に着けるためのマニュアルが存在するわけではありません。後継者を教育するためには、取締役や専務など重要な役職を与えて、実務を通して経営者としての能力を身に着けてもらう必要があります。そのため、後継者の教育が難しいといわれています。

先代世代と次世代の対立

この問題に共通するのは、先代世代と次世代の経営方針をめぐる対立です。このような対立がいったん顕在化すると、企業組織の一体感が崩れ、対立の長期化は、従業員の仕事意欲や組織への帰属意識に悪い影響を与えてしまいます。

これは、組織内部の話だけにとどまりません。経営方針の不安定さが、顧客や仕入先などの外部の利害関係者に対しても悪い影響を及ぼしてしまいます。

その例として、大塚家具のお家騒動があります。大塚家具の代表取締役は、先代経営者の娘であり、取締役会の大半は先代経営者を支えてきた人たちという構図でした。経営戦略に対し古参社員たちは反対したため、取締役会では社長と古参社員と対立することになりました。

納税免除ではなく猶予

事業承継の際に、承継される株式や事業資産も贈与税や相続税の課税対象となります。それらに課税される贈与税や相続税は、個人相続の時よりも莫大な額になります。

その資金を工面するために自社株式を売却すると会社の経営権を握ることができず、正常な会社経営ができない可能性があります。それを回避するために事業承継税制という制度が設けられました。

この制度では、経営者から相続・贈与された非上場の自社株式に課税させる相続税・贈与税に関しては100%猶予することができます。これにより後継者の将来不安の要素を少しでも取り除き、事業承継が進むことを期待しています。

しかし、後継者が自社の筆頭株主となって、5年間経営し続けることを満たせないと相続税・贈与税は猶予され続けることはできません。この条件のハードルが少し高いことから事業承継税制利用に躊躇する経営者がいるのも現状です。

事業承継完了まで時間がかかる

事業承継完了までに時間がかかるという問題点もあります。

中小企業の場合、事業承継には長い年月がかかり、平均で5~10年かかると言われています。ここまで時間がかかる原因は、後継者を育成するための時間が一番かかるからです。

中小企業白書によるとに、後継者の育成期間は、5~10年と回答している中規模企業は47.4%、小規模事業者は39.9%といずれも最も多くなっています。中小企業の経営者は、自身が引継ぎを完了したいと考えている時期から逆算して、計画的に事業承継を行う必要があります。

事業継承問題の解決策

後継者がいる場合と後継者がいない場合で解決策は大きく2つに分けられます。

後継者がいる場合は経営レポートや事業承継計画の作成、後継者教育を行います。一方で後継者がいない場合は、M&Aを行うことになるので準備を行ったり、売却相手の探索を開始したりします。

<後継者がいる場合>

経営レポート

事業承継計画の作成

後継者教育

<後継者がいない場合>

M&Aの準備

売却相手の探索

まとめ

いかがでしたでしょうか?

事業承継は経営者として最後のテーマです。

中小企業であれば、遅かれ早かれ事業継承問題にぶち当たります。経営が順調でいて財務状況が良い会社は、清算・廃業も上手く行うことが可能ですが、また同時に後継者になりたいと考える人もいることでしょう。親族や社員の中から後継者になりえる人がいる場合は、その教育や準備は早めに進めておく方が良いでしょう。

承継方法の選択が必要な方は、時間と労力を費やす大仕事です。経営者1人で現状を洗い出し、計画し、法律や支援について習得し進めることは困難なので、できる限り早い段階で専門家へ相談することをおすすめします。