【5分でわかる】健康経営とは何か?意味や取り組み・メリットなどまとめ

あなたの会社では、健康経営への取り組みを行っているでしょうか?

メンタルヘルスやブラック企業が社会問題として取り上げられる昨今、健康管理を企業の経営課題ととらえる企業が増加しています。

会社存続のためには、社員が最大限のパフォーマンスを発揮する必要があるため、その実現に向けた健康経営というテーマは欠かせません。健康経営とは、企業が従業員の健康に配慮した環境構築を行い、生産性向上を実現するものです。

そのメリットは多岐にわたりますが、株価にも影響を与える評価方法も存在します。

少子高齢化が進む中、労働生産性が低い日本では、従業員の健康管理は、重要な経営戦略の一つとして位置づけられており、従業員の健康状態が悪化すれば、希少な労働生産性が低下するだけではなく、長期的な労働力の確保にも悪影響を及ぼします。

健康経営を推進する企業は、当初は大手企業が中心でしたが、最近では、中堅中小企業にも取り組みを始める動きが拡大しており、政府が力を入れる働き方改革と併せて、健康経営への注目度は今後も高まりそうです。

今回は、【5分でわかる】健康経営とは何か?意味や取り組み・メリットについて解説します。

健康経営とは?

健康経営とは、従業員の健康増進を目的とし、メンタル面やフィジカル面双方の状態を全社的に行うことを指します。これは1992年にアメリカの臨床心理学者、ロバート・ローゼン博士が著書『The Health Company』において提唱した概念に基づいています。

健康経営とは、企業が社員の健康に配慮することで職場環境の改善を実現し、生産性を向上させていく経営方法

「健康経営」とは、企業において従業員が健康で気持ちよく働くことが企業の生産性の向上につながるという観点から、従業員の健康維持増進を経営課題と捉えて、戦略的に取り組むことを指します。

従来、従業員の健康管理や健康づくりは主に企業の福利厚生の観点から行われてきましたが、近年では、経営面のメリットが大きいことが注目されるようになり、企業と従業員がWIN-WINの関係となる取り組みとして関心が高まっています。

健康経営が注目される背景

企業が健康経営に取り組むメリットが注目される背景のひとつは、現在の日本において少子高齢化が進み、労働力人口が減少していく状況にあることがあります。

このため、特に若手人材の採用は今後さらに困難さを増していきます。労働環境や職場環境がよくない企業には人材が集まりにくくなる一方、健康経営に取り組む企業に対しては、安心して働けるホワイト企業として求職者の好感度を高める事ができます。

また、少子高齢化によって従業員の平均年齢が上がっていく中では、職場に増えていくシニア社員をいかに活用し、生産性の低下を防ぐかということも、企業にとって大きな課題といえます。

そこで、健康経営によって、従業員が高齢になっても心身ともに活力を維持できる健康づくりに早くから取り組むことが求められるようになってきました。さらに、昨今では、高齢化に伴う医療費の増加によって企業の健康保険組合の業績が悪化し、保険組合を維持できなくなるケースも出てきており、こうした状況も健康経営の推進を後押ししています。

また、企業における健康経営の取り組みを促進するため、経済産業省では、2015年から東京証券取引所と共同で「健康経営銘柄」制度をスタートしています。東京証券取引所の上場企業の中から健康経営の取り組みが特に優れた企業を毎年選定し、長期的な視点から企業価値向上が期待できる投資対象として紹介しています。現在では業界の中でどの企業が選定されたかが注目されるようになり、「健康経営銘柄」がブランド化してきたともいわれます。

健康経営の導入メリット

以下、健康経営がもたらすメリットを4つ紹介します。

労働生産性の向上

健康で生き生きと働ける環境は、従業員のモチベーションのアップにつながります。

現代では残業が当たり前になってしまっていますが、長時間労働は、疲弊するだけでなく生産性も向上しないため、メリットがありません。そこでしっかりと社員に休息を取ってもらうことで、決められた時間に集中して仕事をこなせるようになり、結果的に生産性が向上します。

しかし企業側から「健康診断の費用を負担する」「ストレスチェックを定期的に行う」「通院ができるよう、フレックスタイム制を導入する」といった取り組みを行うことで、従業員の体調を良い方向にキープすることも可能です。

企業イメージの向上

人材の確保には、企業のブランドイメージが重要です。

過酷な労働環境を強いられるブラック企業は、企業イメージが下がり離職率も高くなります。こうした状況で、社員の健康を気遣うことは企業イメージの向上につながり、結果的に優秀な人材が集まりやすくなります。

健康経営が行なわれている企業は、「働きやすい」という印象を与え、ホワイト企業である認識を与えます。これらは、採用活動に良い影響がもたらされるほか、社会的な信頼度も高まり、さらなる業績アップにもつながるでしょう。

組織力の向上

社員の健康づくりを会社が把握することによって、社内コミュニケーションが活性化されます。ITの発達でツールが充実し、直接のコミュニケーションが不足しがちな現代だからこそ、社員同士の対話が非常に重要です。

従業員の不調は、必ずしも目に見える形で現れるとは限りません。健康経営に欠かせないのは、経営陣やマネジメント層が従業員と密にコミュニケーションを取ることで従業員それぞれの不安要因を早急に把握し、解決に向けて何ができるかを知ることが重要です。

そのためには、個人単位でのコミュニケーションが取れる1 on 1ミーティングの実践など、組織全体で風通しを良くする効果が期待出来るフリーアドレスといった制度が有効です。

離職率の低下

健康経営により、従業員の健康を保つことは離職率の低下にもつながります。

本人に働く意思はあっても、労働環境が原因で体を壊してしまえば、退職・休職へと繋がります。労働人口が減少している今、従業員の定着率向上を目指すことは企業の競争力を維持する上でも重要です。

また、企業で社員の健康づくりを促進することにより、社員が無理をして身体を壊すことが減るため、経費としての医療費が削減できます。また、身体を壊して社員が辞めてしまうリスクも軽減でき、一石二鳥です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

少子高齢化が加速し、労働力の確保が難しくなっていくことが予測されている今、従業員を大切にする姿勢や働きやすい環境づくりは経営者にとって益々重要な課題です。

「健康経営」を導入、成功した企業に共通しているのは、コストではなくそれを「投資」として取り組んでいる点です。制度を整えるために必要な費用や時間を、その後の利益につなげる意識を持っています。

労働人口減少というリスクがあるなか、優秀人材を確保し、企業繁栄の継続を実現するには、ポイントを押さえた健康経営への取り組みが欠かせないでしょう。今後の業績拡大のためにも、今一度従業員のおかれた労働環境を見直してみてはいかがでしょうか。