社内FA(フリーエージェント)制度とは何か?意味や背景・メリットなどまとめ

みなさんは社内FA(フリーエージェント)制度をご存知ですか?

人事異動制度のひとつである社内FA(フリーエージェント)制度は、社内公募制度と合わせて、導入されることも多く、その導入率も増えています。社員が主体的に自分のキャリアを構築できる社内FA制度は、社員のモチベーションや企業内競争力を高める効果があります。

しかし、一体、何をどのように行うものなのでしょうか。

今回は、社内FA(フリーエージェント)制度とは何か?意味や背景・メリットについて解説します。

社内FA制度とは?

これまで「人事異動」という形で社員の最適配置に注力してきました。

これまで人事の社内異動や転勤、昇進・昇格などは、会社側からの辞令一つで行われてきましたが、ポストの数が限られる中、全社員のニーズを満たすことは難しく、意に沿わない人事により、社員の不満が蓄積されることがこれまで往々に存在していました。

しかし、企業を取り巻く環境変化が激しく、社員の仕事に対する意識が多様化している中、このような旧態依然としたやり方を続けていては、適材適所の人事管理は難しいといえます。そこで、社員自らが希望する部署や仕事に就けるような制度を採用する企業が増えている。そのための制度が「FA制度」です。

社内FA制度とは、社員が自分の経歴や能力・実績を希望部署に自ら売り込み、異動や転籍を可能とする人事異動制度。

プロ野球界で野球選手がFA権(FA資格)の取得が近いイメージです。社員のキャリアパスの実現、社内人材の流動化などに効果がありますが、社内FA制度の応募者は勤続年数や保有資格などの厳しい条件をクリアする必要があります。

制度普及の背景とは?

社内FA制度が増えている背景には、成果主義や年俸制の浸透・普及があります。

成果主義や年俸制の浸透により、年功序列が強く反映した年齢や性別、勤続年数にこだわらないケースも登場しています。 社内公募制度や自己申告制度と一緒に実施されることが多く、主に社員の自発的なキャリア開発を目的に導入されます。

2010年1月、財団法人 日本生産性本部が発表した「日本的雇用・人事の変容に関する調査」よると、社内FA制度の導入率は2001年が3%と低水準だったが、2009年には12.5%まで高まっており、今後も拡大していくことが予想されます。

会社が社員に対して一定水準の成績を要求し、それをベースに給与を厳格に算出するのであれば、社員に対しても一定の職務の選択権を与えなければ、社内に不満が高まり、モラルの低下につながります。

社内公募制度・自己申告制度との違い

社内FA制度とよく似た人事異動制度で社内公募制度と自己申告制度がありますが、これらの制度とは目的や内容に明確な違いがあります。

社内公募制度は、企業が新規プロジェクトや増員を検討している部署に必要な能力や実績を提示した上で全社員に公募する、いわば求人型人事異動制度です。しかし、社内FA制度は会社や部署・部門が人材補強を前提にしたものではなく、あくまで社員が自らの実績や能力を示し、異動を希望する求職型人事異動制度です。

また、自己申告制度は、自らの実績を自己評価することで、自身が関わる職務の適正を判断し、人事部に異動希望を届けるものです。一見、社内FA制度と主導権も内容も似ていますが、自己申告制度は社員の職務状況や適正、問題点などを洗い出す、いわば情報収集の性質が強く、人事管理(人材管理)の手法のひとつです。そのため、自己申告制度は人事異動を判断する評価データの収集が主な目的です。

社内FA制度を導入するメリット

社内FA制度は以下のような、いくつかのメリットをもたらします。

モチベーション向上につながる

社内FA制度は社員が自らの実績や能力を示し、希望する部署や部門に応募する社員主導の人事異動制度です。

そのため、企業側の都合や一方的なキャリア開発の異動ではなく、社員の自由度を尊重することができます。また、自らのキャリアを真剣に考えるきっかけにもなり、社員のモチベーション向上も期待できます。これにより費用対効果の高い内発的動機を基にした人事が可能となります。

優秀な人材の確保や育成

社内FA制度の応募条件は、社内公募制度と比べても厳しい傾向にあります。最低5年の勤続年数や保有資格の有無、突出する実績などをクリアした社員が異動希望を出せるため、受け入れ側の部署や部門は優秀な社内人材を確保することができます。

年功序列が色濃く残る日本企業では、来たる労働人口減少社会に備え、若手社員の即戦力化が急務となっています。勤続年数という一定の縛りはあるものの、実力主義での起用を前提としているため、若手社員の起用にもつながります。

人事部などを通さずに異動を希望できる

社内FA制度は社員主導の人事異動制度のため、人事部など通さずに異動を希望できるメリットがあります。一般的には、優秀な人材ほど上司から慰留を受けるため、長期的な人材育成に支障をきたします。

しかし、社内FA制度は企業や人事部主導の社内公募制度や自己申告制度と比べて、自主性を重んじるため、社員自らのの自発的なキャリア開発や成長につながります。

また、社内FA制度を利用した社員は、受け入れ部署との親和性を見極めやすく、異動後のミスマッチが発生しにくいメリットがあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

社員が主体的に自分のキャリアを構築できる社内FA制度は、社員のモチベーションや企業内競争力を高める効果があります。