介護職員の給与アップになる処遇改善加算とは?費用負担を軽減させる助成金まとめ

介護報酬が大幅減算され、人材不足が深刻な今、「処遇改善加算」は何とか取得したいところです。

この加算要件である「研修」や「キャリアパス」の構築を専門家に依頼したいが、予算がないなどの理由で悩んでいる事業者様も少なくないのではないでしょうか。そのひとつの選択肢として、助成金の活用があります。うまく活用すれば、費用負担を軽減させることが可能です。

今回は、介護職員の処遇改善加算とは?費用負担を軽減させる助成金について解説します。

介護職員処遇改善加算とは?

介護職員処遇改善加算は、事業所が、介護職員のキャリアアップの仕組みや、職場環境の改善計画を立て、それらを都道府県や市町村などの自治体に報告し、自治体が介護報酬に「給料の上乗せ費用」を追加して支給され、介護職の給与が増える制度です。

介護職員処遇改善加算の流れは、以下の4段階で実施されます。

① 事業所が介護職員のキャリアアップの仕組みや職場環境の改善計画を立案

② 計画の実施状況を、都道府県や市町村などの自治体に報告

③ 報告をもとに、自治体が介護報酬に給料の上乗せ費用を追加し支給

④ 介護職員へ給料として支給

この制度は、「介護職員のためになる取り組みに力を入れている」と認められた介護事業所にのみ、給料上乗せ費用が支給される制度となっています。加算にはその要件に応じて「加算Ⅰ」から「加算Ⅴ」という段階がありましたが、平成30年度は、そのうちの加算Ⅳと加算Ⅴが廃止となりました。

しかし、処遇改善加算の取得のための届け出をしない事業所もあります。

その理由で多いのが「事務作業が煩雑」であることです。手当を支給するには処遇改善計画書や処遇改善実績報告書の作成、職員への処遇改善手当の支給額を算定など煩雑な作業が伴います。特に小規模な事業所では、この作業に割く時間と労働力を確保することが難しく、届け出を出すことができていない現状もあります。

また、直近では、2018年12月17日、現場を牽引する「リーダー級の介護職員」を主な対象とする方針を正式に決め、月8万円の賃上げとなる人、あるいは賃上げ後に年収が440万円(全産業の平均賃金)を超える人が事業所内に1人はいなければいけない、とのルールを組み込むことも決定しました。

誰がもらえるのか?もらえない?

処遇改善加算は、同じ介護職でも、もらえる職種と、もらえない職種があります。

介護職員なら資格なしでももらえる

介護職員とは、デイサービス、入所施設などで直接介護にあたっている職員になり、この場合資格の有無は問いません。あくまで直接介護を行っている者に対しての支給となり、正規職員やパートなどの雇用形態は関係なく、支給されることになります。ただし、支給の対象職員や、どれだけ給料を増やすかは、介護事業所に任されています。

職種によってはもらえない職種もある

介護職以外の、例えば看護師、栄養士、理学療法士など、他の職種に従事している場合は支給の対象外となります。また、直接介護を行わない管理者やケアマネジャー、サービス提供責任者も支給の対象とはなりません。しかし実際の現場では管理者や相談員・看護師などが介護を兼務している場合があります。その場合は、支給対象となります。

処遇改善加算に活用できる助成金まとめ

企業内人材育成推進助成金

企業内人材育成推進助成金は、職業能力評価、キャリア・コンサルティング等の人材育成制度を導入・実施し、継続して人材育成に取り組む事業主等に対して助成する制度です。

本助成金は次の2つのコースに分けられます。

人材育成制度を導入・実施する事業主に助成を行う「個別企業助成コース」

人材育成制度を導入・実施する構成事業主を支援する事業主団体に助成を行う「事業主団体助成コース」

「個別企業助成コース」の助成額

制度名

制度導入助成額

(実施することが要件)

実施・育成助成額(注 1 

一人あたりの額 )

 教育訓練・職業能力評価制度

50 万円 (25 万円 )

5 万円 (2.5 万円 ) (注 2 )

キャリア・コンサルティング制度

30 万円 (15 万円 )

5 万円 (2.5 万円 )

15 万円 (7.5 万円 )

技能検定合格報奨金制度

20 万円 (10 万円 )

5 万円 (2.5 万円 )

(注1) 実施・育成助成は制度ごとに10人までです。
(注2) 訓練受講者の教育訓練の受講時間数が計画時間数の8割未満の場合、支給されません。

(   )内は中小企業以外の助成額

「事業主団体助成コース」の助成額

                            助成内容             助成額
従業員に対し教育訓練や職業能力評価を行う構成事業主を支援する事業主団体について、構成事業主が3事業主以上、かつ従業員合計30名以上を対象に導入・実施された場合、支援に要した費用の一部を助成         支援に要した費用の2/3
(上限額500万円)

※ 個別企業助成コースと事業主団体助成コースの併用は不可。

人材開発支援助成金

雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進するため、職務に関連した専門的な知識及び技能の普及に対して助成する制度です。

助成メニューは以下の4類型です。

I 特定訓練コース
・職業能力開発促進センター等が実施する在職者訓練(高度職業訓練)、事業分野別指針に定められた事項に関する訓練 、専門実践教育訓練、生産性向上人材育成支援センターが実施する訓練等
・採用5年以内で、 35 歳未満の若年労働者への訓練
・熟練技能者の指導力強化、技能承継のための訓練、認定職業訓練
・海外関連業務に従事する人材育成のための訓練
・厚生労働大臣の認定を受けた OJT 付き訓練
・直近2年間に継続して正規雇用の経験のない中高年齢新規雇用者等( 45 歳以上)を対象とした OJT 付き訓練

II 一般訓練コース
・その他の訓練コース以外の訓練に対して助成されます。

III 教育訓練休暇付与コース
・有給教育訓練休暇等制度を導入し、労働者が当該休暇を取得し、訓練を受けた場合に助成されます。

IV 特別育成訓練コース
有期契約労働者等の人材育成に取り組んだ場合に助成されます。
・一般職業訓練
・有期実習型訓練
・中小企業等担い手育成訓練

まとめ

いかがでしたでしょうか?

処遇改善加算は、相当複雑です。しかし、この制度のお陰でキャリアアップの仕組ができた事業所も多くあると思います。介護職処遇改善加算を有効利用すれば、給与・教育両面の効果を得ることができます。

そのひとつの選択肢に助成金の活用を検討してみてはいかがでしょうか?

その中で活用できる助成金をいくつか紹介しました。上記以外にも介護事業所で活用できる助成金や補助金がありますので、気になる方は、リサーチして見てください。