【記入例あり】かんたん!青色申告のための減価償却の計算方法まとめ

「減価償却」とは、固定資産を購入した場合に、支払った費用をその時点で一度に費用計上するのではなく、一旦「資産」として計上し、その資産の使用期間に合わせて徐々に費用(減価償却費)として計上する仕組みのことです。

青色申告をする場合にも、10万円以上の車両や機械設備を購入したときには、資産をとして計上しなければなりません。青色申告決算書(一般用)を作成する場合には、3ページの「減価償却費の計算」の中に記載して原価償却費を算出して経費に計上する必要があります。

減価償却費の計算

下図の減価償却費の計算に記入し、本年中の必要経費算入額を算出し、その合計額を原価償却費として経費に計上します。

以下、項目毎の記載方法を説明します。

名称、価格等

① 減価償却資産の名称等
固定資産を特定するための名称を記載してください。

② 面積又は数量
数えられる物であれば数量、建物であれば面積を記載してください。

③ 取得年月
取得した年月日を記載してください。

④ ㋑ 取得価格(償却補償額)
資産の価格を記載してください。
定率法による償却方法をとった場合には( )内に償却補償額を記載してください。
「償却保証額」は、資産の取得価額に、その資産の耐用年数に応じた保証率を乗じて計算した金額となります。

定率法で計算すると簿価が1円になるまでの償却期間が非常に長くなります。そのため「償却保証額」を設け、それ以下になると定額で償却し、償却期間を短くするようにしたものです。

⑤ ㋺ 償却の基礎になる金額
*償却の基礎になる金額は、資産の取得日ごとに次の金額を入れます。

〔償却方法を定額にした場合〕
a. 平成19年3月31日以前に取得した資産
取得価額の90%になります。
b. 平成19年4月1日以後に取得した資産】
取得価額そのままの金額

〔償却方法を定率にした場合〕
a. 平成19年3月31日以前に取得した資産
前年末の未償却残高(※)
(「取得価額-前年末までの減価償却費の累計額」の金額)
※減価償却費の累計額が取得価額の95%に達した年の翌年の場合(5年間の均等償却を行う場合)は、取得価額×5%になります。

b. 平成19年4月1日以後に取得した資産】
1 平成26年中に取得した資産
取得価額そのままの金額
2 平成25年12月31日以前に取得した資産
前年末の未償却残高
(「取得価額-前年末までの減価償却費の累計額」の金額)

※そのほか、調整前償却額が償却保証額未満となる年分以後は、改定取得価額(最初に調整前償却費が償却保証額未満となる年の期首未償却残高)となります。

償却方法、償却費等

⑥ 償却方法
毎年同じ額で償却する場合には「定額法」、毎年同じ率で償却する場合には「定率法」を記載してください。なお、平成19年3月31日以前に取得した資産については、「旧定額」若しくは「旧定率」として下さい。

⑦ 耐用年数
耐用年数とは機械設備や建物・船舶などの固定資産が使用できる期間として法的に定められた年数です。国税庁の耐用年数表から該当する耐用年数を抽出し記載してください。

⑧ ㋩ 償却率又は改定償却率
償却率は耐用年数に応じて定められているもので、「減価償却資産の償却率表」から償却率を抽出して記載してください。なお、定率法の償却率により計算した償却額が「償却保証額」に満たなくなった年分以後は、改定償却率を記載してください。

⑨ ㋥ 本年中の償却期間
本年中の償却期間には、その年1年間償却した場合には「12」とし、資産を月の中途で取得や譲渡、取壊しなどをした場合は、その月を1か月として計算した本年中の償却期間として、その月数記載してください。

例えば、6月15日に取得して、12月まで引き続き使用している場合には「7か月」となり、「7」を記載してください。なお、取得価額の95%相当額に達した年分の翌年分以後5年間において均等償却を行う場合で、年の中途で譲渡や取壊し等をしていない方は、本年中の償却期間を「12」として入力してください。

⑩ ㋭ 本年分の普通償却費(㋺×㋩×㋥)
「㋺償却の基礎になる金額」×「㋩償却率又は改定償却率」×「㋥本年中の償却期間」の金額を記載してください。

⑪ ㋬ 割増(特別)償却費
減価償却費を多く計上し、資金回収をはやめる効果をもつ減価償却方法で、該当する割増(特別)償却費がある場合にその額を記載してください。

⑫ ㋣ 本年分の償却費合計(㋭+㋩)
「㋭本年分の普通償却費」に「㋬ 割増(特別)償却費」を加えた額を記載してください。

専用割合、経費算入額、未償却残高等

⑬ ㋠ 事業専用割合
資産を事業でどれだけ使用しているかの割合を記載してください。例えば、資産を事業用のみに使用している場合は、100%を記載し、半分家庭用で使用している場合には50%を記載してください。

⑭ ㋷ 本年分の必要経費算入額(㋣×㋠)
経費として認められる額であり、「㋣本年分の償却費合計」×「㋠事業専用割合」の額を記載してください。

⑮ ㋦ 未償却残高(期末残高)
「取得価格」-「本年までに償却された金額」若しくは「期首簿価」-「㋣本年分の償却費合計」の金額を記載してください。

⑯ 摘要
例えば「償却済」、「均等償却」等の特記事項を記載してください。

まとめ

減価償却費の計算への資産頃の記載が完了すると、「㋭ 本年分の普通償却費」、「㋬ 割増(特別)償却費」、「㋣本年分の償却費合計」、「㋷本年分の必要経費算入額」、「㋦未償却残高(期末残高)」の欄の合計額を計算し記載します。

これにより、「減価償却費の計算」への記載が完了します。記載した「減価償却費の計算」は損益計算書や貸借対照表作成に使用されます。例えば、「㋷本年分の必要経費算入額」の合計額が、損益計算書の経費の「原価償却費」の額になります。

また、「㋦未償却残高(期末残高)」は貸借対照表の「資産の部」の期末の金額に反映されます。