【法人税の基礎知識】経営者なら知るべき法人税の計算式・税率・申告期限まとめ

会社を設立したら、必ず支払わなければならない「法人税」。

法人税とは、主に株式会社などの法人が事業活動を通じて得た各事業年度の所得にかかる税金のことです。法人の義務で支払っているけど、詳しいことはよくわかっていないという人も多いのではないでしょうか?

個人で所得を得た場合は、所得税を税務署に申告・納税しますが、法人の場合は法人税を税務署に申告し、納税します。

今回は、経営者なら知っておきたい法人税の基礎知識について解説します。

課税される法人とは?

まず、最初に課税される法人とはどのような法人を指すのでしょうか?

法人は、株式会社をはじめ、協同組合等、人格のない社団等、公益法人等、公共法人などがあります。

上記のように、法人と一口にいってもその種類はさまざまで、「課税される法人」と「課税されない法人」2つにに大別されます。

普通法人とは?

普通法人とは、協同組合等、人格のない社団等、公益法人等、公共法人以外の通常の営利法人をいい、すべての所得に対して法人税が課税されますが、期末資本金が1億円以下の場合は税率が軽減されます。

<普通法人>

株式会社

有限会社

合名会社

合資会社

医療法人

相互会社

企業組合

労働組合や管理組合など

日本銀行

協同組合等とは?

協同組合等には、原則として法人税が課税されます。税率は普通法人より軽減されています。

<協同組合等>

農業協同組合

信用金庫

労働者協同組合

漁業協同組合

生活協同組合

公益法人とは?

公益法人とは、公益を目的としており、営利目的ではない法人です。原則的に法人税は非課税ですが、収益事業がある場合には収益事業による所得にのみ法人税が課税されます。

<公益法人等>

社団法人

財団法人

宗教法人

学校法人

社会福祉法人

公共法人とは?

地方公共団体、日本政策金融公庫など公共性のある目的を持った法人で法人税は課税されません。

<公共法人>

地方公共団体

国民金融公庫

住宅整備公団

都市整備公団

住宅金融公庫

日本道路公団

国立大学法人

日本放送協会

法人税の課税所得

法人で課税となる対象は何でしょうか?

法人税の課税対象となる所得は、法人が事業活動を通じて得た各事業年度の所得になります。つまり、法人税は、会社の「利益」ではなく、「所得」(益金-損金)に対して課税されます。

益金・損金とは、法人税法上の「別段の定め」に規定される調整を、会計上の収益・費用に行ったもので、会計上の収益・費用をそれぞれ法人税法上の益金・損金に調整するのではなく、簡便的に会計上の利益に税務調整を行い、法人税法上の所得金額を算出します。

課税所得に対して、所定の税率を掛けて、そこから控除額など差し引いたものが、納付する法人税額となります。

法人税の計算式:法人税額=課税所得×法人税率-控除額

法人税の税率

法人税の税率は、累進課税の所得税と違い、法人の種類と規模によって決まります。

以下、法人の種類と税率の一覧になります。

普通法人

年間所得800万円以下の部分・・・19%(15%)
年間所得800万円超の部分・・・23.2%

協同組合等

年間所得800万円以下の部分・・・19%(15%)
年間所得800万円超の部分・・・19%

公益法人等(*収益事業を行った場合)

年間所得800万円以下の部分・・・19%(15%)
年間所得800万円超の部分・・・19%

人格のない社団等(*収益事業を行った場合)

年間所得800万円以下の部分・・・19%(15%)
年間所得800万円超の部分・・・23.2%

*2018年4月1日以後の開始事業年度に適用されます。

また、( )内の税率は、2018年4月1日から2019年3月31日までのあいだに開始する事業年度について適用。

法人税の申告期限は?

「事業年度」とは、法人の利益を計算するために一定期間ごとに区切られる会計期間をいい、定款などで各法人の事業年度が定められます。

法人税の申告には、中間申告と確定申告の2つが定められています。中間申告は、事業年度が6カ月超の普通法人の場合には事業開始日から6カ月を経過した日から2カ月以内に所轄税務署に提出しなければなりません。中間申告には、前年度の所得を基にする「前年度実績に基づく予定申告」と、中間決算を行って計算される「仮決算に基づく中間申告」の2種類があります。

法人税の確定申告は、原則として事業年度終了日の翌日から2カ月以内に所轄税務署に提出する必要があり、事業年度終了後に会計決算を行い、株主総会などの承認を受け、確定した決算をもとに確定申告書を作成します。

確定申告期限を延長する場合「定款で株主総会が決算日から3ヵ月以内と定められている」「決算日の翌日から45日以内に延長手続きを行っている」という2つの条件を満たす必要があります。

法人税の納付方法

法人税の納付方法は以下となります。

<法人税の納付の流れ>

① 決算手続き

② 法人税の申告書の作成と提出

3 法人税の納付

法人税の過ぎるとペナルティが科されますので注意しましょう。法人税の納付には、現金納付、電子納税、クレジットカードによる納付の複数の方法があります。

法人税の納税地

法人税の納税地は、会社の本店または主たる事務所の所在地となります。

法人を新たに設立した場合には、設立日から2カ月以内に設立に関する届出書を所轄税務署に提出する必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

法人税の基本について理解いただけましたでしょうか?わかりにくいという印象が強い法人税ですが、基本を押さえれば、それほど難しくありません。

上記の基礎知識を理解し、例えば現在の法定実効税率を理解しておけば、利益に対してどれくらいの法人税がかかるかについては、ある程度把握できるようになります。

また、法人税の申告と納付は、事業年度の終了から2ヶ月以内に実施する必要があり、期日を過ぎれば、延滞税が発生しますので、決算の作業を早めに終了することもポイントです。