第4次ベンチャーブーム(スタートアップ4.0)とは?日本のベンチャー企業の歴史まとめ

2013年からベンチャー投資額は右肩上がりに増加し、近年は企業業績の回復と投資家心理の改善により、ベンチャー市場に更なる大きな資金が流入しています。

また、AI、IoT、FinTech、宇宙やバイオテクノロジーになど注目のテクノロジーが生まれ、連日紙面を賑わしているスタートアップのニュースやそれに伴う多額の資金調達のニュースの数々でも分かるように、現在の日本では、第四次ベンチャーブームが訪れていると言われています。

ベンチャー企業の中でも、特に急成長している、もしくは今後大きな成長が見込まれる技術やイノベーティブな取り組みをしている企業は「スタートアップ」と呼ばれ、未上場で時価総額1000億を超えるスタートアップをユニコーンと呼びます。

スタートアップとは?ベンチャー企業との違いについては以下を参照ください。

【徹底解説】スタートアップ企業とは?スタートアップ企業ベンチャー企業との違いまとめ

VC(ベンチャーキャピタル)やCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)・エンジェル投資家などが増加し、ベンチャービジネスを育成するエコシステムが急速に構築されつつあります。そして、この第四次ベンチャーブームの波に乗り遅れまいと多くの起業家が続々とスタートアップに挑戦しています。

今回は、第4次ベンチャーブーム(スタートアップ4.0)とは?日本のベンチャー企業の歴史について解説します。

ベンチャーブームの歴史

過去訪れている「ベンチャーブーム」から、第四次ベンチャーブームについて解説します。

第一次ベンチャーブーム (1970年前後)

1970年頃から始まった「第一次ベンチャーブーム」。

高度経済成長期の頂点にあり、列島改造ブームによる投資意欲の向上や脱サラによる独立開業の増加の時代を背景に多くのベンチャー企業が設立されました。

この第一次のブームでは、研究開発型のハイテクベンチャーや外食ベンチャーが数多く設立された。また、1963年の中小企業投資育成会社の設立や日本証券業協会による店頭公開制度(現在のJASDAQ市場)の創設、多くのベンチャーキャピタルや支援事業の立ち上げもこのベンチャーブームの一つの要因であると考えられています。

当時に設立されたベンチャー企業で現在も生き残り大企業にまで成長している企業としては、キーエンス、日本電産、すかいらーく、アデランスや大塚家具など、誰もが知っているような企業がこの頃に設立されています。

時代を切り開いたベンチャーブームも、1973年の第一次石油ショックによる不況により終焉を迎えます。

第二次ベンチャーブーム (1980年代前半)

第一次ベンチャーブームの終焉から10年後の1983年、株式公開基準の緩和による追い風により第二次ベンチャーブームが到来します。

当時は従来の製造業中心の産業構造から、流通・サービス業を中心とした第三次産業が拡大した時期である。またジャスダック市場(店頭市場)の上場基準緩和なども追い風になり、ベンチャーキャピタルの設立ラッシュも始まりました。

ベンチャー・スタートアップで有名な米国・シリコンバレーにベンチャーブームが到来したのもこの頃です。この当時に設立されたベンチャー企業で有名なのが、ソフトバンク、エイチ・アイ・エス、スクウェア、CCCやアイフルホームなどです。

しかし、1985年のプラザ合意による円高不況により、大型ベンチャーの倒産が相次ぎ、終焉を迎えます。

第三次ベンチャーブーム (1995年前後~2005年)

バブルが崩壊して、日本経済が長期不況に突入した1995年前後に始まった「第三次ベンチャーブーム」。

第三次ベンチャーブームの特徴は、これまでの二つのブームとは異なり、10年以上もの長期間続いたということです。

政府はベンチャーの育成なくして、今後の日本経済の活路は見出せないと考え、政府による規制緩和をはじめとする「ベンチャー優遇政策」の打ち出し、1995年の「中小企業創造法の施行」や「第二店頭市場の開設」など、行政が主導のもと様々なベンチャー支援策が講じられる中、1999年の東証マザーズ市場や札幌アンビシャス市場が開設されたのもこの頃です。

これはバブル崩壊の不況が長期化する中で根本的な産業構造の変革に迫られた政府がベンチャーを時代の大きな流れのトレンドにしようとした動きでもあります。これを機に日本にベンチャーがIPO(株式公開)しやすい仕組みが整ったといえます。

この頃に誕生した代表的なベンチャー企業といえば楽天、光通信、GMO、サイバーエージェントやDeNAと今も名だたるIT企業で、同時期の米国でもAmazon、GoogleやYahooなどがあり、まさにITバブルの時代です。

その勢いは2005年頃まで続いたが、ネットバブルの崩壊やライブドア事件などの影響を受けて終息を迎えます。

第四次ベンチャーブーム(2013年~現在)

第四次ベンチャーブームは、「スタートアップ4.0」とも呼ばれています。

2013年頃からの金融緩和、官製ファンドやCVCの相次ぐ設立、大企業からベンチャー企業へのリスクマネーの投入、IT技術の普及によるインフラコストの低下などを要因に第4次産業革命といわれるように、目下あらゆる産業でデジタル化が進み、AI(人工知能)といった新技術やシェアリングエコノミーなどの既存ビジネスを覆すサービスが台頭し「第4次ベンチャーブーム」というべき流れが生まれています。

政府もベンチャー育成を重要課題にあげていることから、官民一体となったファンドなども出現しました。

日本の人口が減少し、グローバル化が進む中では、現在の大企業のビジネスモデルが、数十年後の後世に通用するとは限らないといった危機感や、しがらみや古い慣習から抜け出せない「大企業病」への処方箋として目を付けたのが、先進性や行動力に富むベンチャーとのオープンイノベーションです。

第四次ベンチャーブームを支えているのは、上記のような大企業との資本と業務の提携がキーワードとなっています。スタートアップの情報データベースentrepediaを運営するジャパンベンチャーリサーチの調べでは、スタートアップと上場企業の事業提携件数は2018年、392件に上り、15年と比べて2倍以上の水準となっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

日本はいま「第4次ベンチャーブーム」を迎えています。しかし、「カネ」と「ヒト」の両面において以前のブームとは中身が様変わりしています。

カネの面の主役は、大企業であり、イノベーションをベンチャーに求め、多額の資金をベンチャーに投資しています。また、かつて成功した起業家たちが、エンジェル投資家として若手世代を支援する人脈の継承が起きています。

今後ブームを超えて、文化として根づけば、ベンチャーや・スタートアップが転職と同じくらい身近で当たり前の選択肢になる日もそう遠い未来ではないのかもしれません。