デザイン思考の課題と解決策の発見プロセス・フレームワーク「ダブルダイヤモンド」まとめ

デザイン思考は、課題解決のためのプロセスです。

米国のグラフィックデザイナーで計算機科学者、大学教授、作家でもあるジョン・マエダ(John Maeda)は『デザインは3つに分けて考えるべきである』と述べています。

その3つとは、いわゆる「デザイン」(古典的な意味のデザイン)、そして「ビジネスとしてのデザイン」、および「テクノロジーとしてのデザイン」であるといいます。そしてビジネスとしてのデザインというのが「デザイン思考」であると指摘しています。

今回は、デザイン思考のフレームワークである「ダブルダイヤモンド」について解説します。

デザイン思考とは?

デザイン思考について深堀りをする前に、そもそもデザインとはどのような定義でしょうか。

デザインとは、主に建築や服飾、美術、広告などの分野で、設計したり表現するなどのクリエイティブな行為を指します。一方で、「デザイン思考」はデザイナー的思考の事を指し、デザイナーがデザインを行うプロセスや考え方を、ビジネスに応用したものです。

デザイン思考とは、アメリカのデザインコンサルティング会社のIDEOが提唱した問題解決のプロセスで、デザイナーがデザイン業務で使う思考方法のプロセスを応用して、ビジネスの課題に対して最も相応しい解決を図るための思考法です。

簡単に説明すると、「ユーザーの本質的なニーズを見つけ、イノベーションを起こすプロセス」です。

出典:IDEO-U

デザイン思考で大切なのは、上記のユーザーの期待(DESIRABILITY)と経営としての価値(VIABILITY)と保有技術(FEASIBILITY)です。デザイン思考では、まずユーザーの期待を把握するところからスタートし、その上で把握したインサイト(観察)をもとに、保有技術をうまく活用しつつ、新しい経営の価値は何なのかを追求するものです。

初めてデザインを思考法として捉えたのは、ハーバート・サイモンの『システムの科学』がスタートと言われていますが、その後、デザイン思考について様々な著書や研究論文が出ており、デザイン思考に対する考え方に影響を与えています。

デザイン思考が注目を集める背景

これまで、新たな製品やサービスを生み出す現場では「マーケティングリサーチ」が重要視されていました。これらは、「仮説検証型」のアプローチであり、市場やニーズについての調査結果を分析し、仮説を立て検証し、それを元に製品開発などを行ってきました。いわゆるマーケットインの考え方です。

このような製品開発では、マーケティングリサーチを実施するためには、事前にある程度正確に問題を把握している必要があります。しかし、ニーズが多様化し変化の激しいVUCA時代では、この仮説検証による問題の本質を捉える事が難しいケースも増えてきています。そこで、人々のニーズなど課題の本質をスピーディーに分析できる方法として注目されているのがデザイン思考です。

デザイン思考については、以下を参照ください。

デザイン思考のフレームワーク「ダブルダイヤモンド」とは?

ダブルダイヤモンドとは、2005年に英国政府のデザイン振興機関であるデザインカウンシルによって提唱されたものです。

元来は産業デザインのために考案されたフレームワークですが、現在は、社会問題全般にわたる大きな課題からウェブアプリケーションのUX(利用者経験)デザインに至るまで、多くのデザイナーによって利用または応用されているデザイン思考をベースとするシンプルなフレームワークです。

ダブルダイヤモンドは、「正しい課題を見つける」、「正しい解決策を見つける」という2つの大きなダイヤモンドから構成され、各々のダイヤモンドは発散と収束という2つの反復ステージから構成されていることが大きな特徴となっています。

1つ目の「正しい問題を見つけるダイヤモンド」では、「探索(Discover)」「定義(Define)」に分けて問題点の発散と収束を行い、2つ目の「正しい解決を見つけるダイヤモンド」では「展開(Develop)」「提供(Deliver)」に分けて解決策の発散と収束を行ないます。

探索(Discover)

解決すべき課題に対する根本的な問題を発見するため、問題をリストアップする「発散」の段階。

定義(Define)

探索段階でリストアップされた問題のうち、解決すべき問題を絞り込む「収束」の段階。ここで解決すべき問題が決定する。

展開(Develop)

定義段階でリストアップされた問題に対して、解決策をリストアップする「発散」の段階。

提供(Deliver)

展開段階でリストアップされた解決策を絞り込んで提案する「収束」の段階。課題に対する解決策が決定する。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ダブルダイヤモンドを取り入れることにより、1回目の発散と収束で解決すべき正しい問題を適切に定め、2回目の発散と収束で問題に対する解決方法を適切に定めることができます。

企業のリソースは、有限であり、新規の分野に進出する場合、その範囲で最大限効率的に活用しなければなりません。そのような場合、デザイン思考プロセスを事業戦略の立案からプロジェクトの組織化や製品やシステムやサービスの実際の開発に至るまで、あらゆる次元・場面で活用してみてはいかがでしょうか。